迷彩 作詞･作曲/椎名林檎　編曲/化猫キラー 「ねえ一層遠く知らない街に隠居して沈黙しませぬ(ん)こと？ こんな日々には厭(あ)きたのさ　ねえだうぞ(どうぞ)攫(さら)って行つて(いって)」 　　逃げ延びて水蜜桃(すいみつとう)に未練　砂みたいな意識と云ふ(ゆう)次元で 　　逃げ延びた暑さよ何邊(いずこ)へ　揺れが生じ 其の儘(そのまま)　怠惰(たいだ)に委(ゆだ)ねた最後の青さ まう(もう)還らないと知つた(しった)温度も超えられぬ夜(よ)の恐怖色 境界に澱(よど)む(ん)でゐ(い)た決心の甘さ たう(とう)に喪った(うしなった)岸壁打つは引いてくれぬ後悔と濤(なみ)の色 　　待ち侘びて凍る馨(か)は混凝土(コンクリイト)　砂みたいな意識と云ふ(ゆう)器官で 　　待ち侘びた寒さよ何邊(いずこ)へ　揺れに動じ 此の儘(このまま)　愛情に模(も)した修正ペンの白さ 現状を必死で繕つて(つくろって)は剥(は)いだ素肌に恐怖色 傍観に徹してゐ(い)た感慨(かんがい)の淡(あわ)さ たう(とう)に喪つた(うしなった)雷雨仰(あお)ぐは泣いてくれぬ殘忍の雲の色 最後の青さ まう(もう)還らないと知つた(しった)温度も超えられぬ夜(よ)の恐怖色 境界に澱(よど)む(ん)でゐ(い)た決心の甘さ たう(とう)に喪つた(うしなった)岸壁打つは引いてくれぬ後悔と濤(なみ)の色