すべりだい
作詞・作曲/椎名林檎 編曲/亀田誠治

あなたが八度七分の声を使うときは
必ずあたしに後ろめたいことがあるとき

汗ばんだって恥じらったって
理由(わけ)もなく触れたがったりした
凍えたって甘えたって
(ただ)刹那(せつな)に変わった二人

その時全て流れ落ちた
冷たい秋はたった二度目でも
砂場の砂も気持ちも全部
二人の手で滑り落とした

あなたが脈絡も無くキスをくれるときは
必ずあたしの機嫌を損ねた様なとき

汗ばんだって恥じらったって
理由(わけ)もなく触れたがったりした
凍えたって甘えたって
(ただ)刹那(せつな)に変わった二人

その時全て壊れ落ちた
激しい雨には慣れていたけど
お得意の嘘や詮索(せんさく)ごっこが
最後の遊びへ導いていた

このところ()やんでばかり居る
口には決して出せないけど
今のあたしだったらあなたと
退(すべ)らずに済む様な気がする
許されるなら本当はせめて
すぐにでも泣き喚きたいけど
こだわっていると思われない様に
右眼で滑り台を見送って
記憶が薄れるのを待っている

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